ドッグフード・キャットフードについて改めて考えてみる その2
前回からの続きとなります。
「超加工食品」を考える上で、人が日々何を食べ、それがどんな影響を持っているかを確認することが重要となるため、人の食べ物のお話となりますが、後に続きますので、しばしお付き頂けたら幸いです。
突然ですが、皆さんは今日、〝自分で食べた物〟に何が入っていて、どうやって作られたか、全て分かっていますか?
お店で売られている(もしくは自分で育てたり採って来た)野菜や果物、肉や魚、米等の食材を、自ら調理した食事であれば分かりますね。
しかし、ファストフードを始め、外で売られている様々な既製の食品や調味料、お菓子、飲料等は、表示を細かく見るか、製造元に聞かないと分かりません。
我々が毎日、当たり前のように口にしている食品ですが、食品の原材料や、それを作っている成分の中には〝超加工食品〟が含まれている場合があります。
また、様々な原材料や添加物等の成分によっては、身体に対して何かしらの影響があるかもしれない、と言う事をここでご確認下さい。
「超加工食品」をご理解いただくために、少々ややこしい話となりますが、以下を御覧下さい。
様々な食品が、身体にどんな影響を及ぼすかを考えるための、食品の分類分けの方法の1つに「NOVA分類」というものがあります。(サンパウロ大学で2009年に考案されました)
このNOVA分類では、食品やそれに含まれているものを、食品を作る過程での加工の程度や性質、目的等に応じて、4つのグループに分類しています。
グループ1;非加工または最小加工食品
野菜や果物、穀物、豆、肉、卵、牛乳、プレーンヨーグルト、スパイス(未加工)等。
食材がそのままか、あるいは食材そのものの性質が保持される状況で、分割や低温殺菌、非アルコール発酵や冷凍などが施されたもの。
グループ2:加工食品原料
油(種、ナッツ、果物等を圧搾して製造)、塩、砂糖、酢、デンプン、蜂蜜、バター等
グループ1の食品等に圧搾、精製、粉砕、乾燥等の加工を施したもの。また、自然界から採掘、抽出したものも含む。
グループ3:加工食品
グループ1の非加工食品に、グループ2の食品を添加したり、焼く、茹でる、缶やボトルに詰める等を施したもの
グループ1,2の食品のみで作られた食事、缶詰や瓶詰め、干物等
グループ4:超加工食品(ultra processed food:UPF)
加工油、加工デンプンや糖、加工タンパク質など、工業的に作られた原料となるもの
また、これらが原材料や添加物として使わている、ファストフードやインスタント食品、お菓子類、清涼飲料水等が含まれます。多くの調味料にも使われていることがあります。
この、NOVA分類によって、何が分かるか確認してみましょう。
現在までの所、グループ4の分類の定義づけには多少の議論がありますが、
グループ4に該当する食品は「食品の超加工が身体へ何かしらの影響を及ぼす」と言う点については、共通した認識となっています。
具体的な説明として、
人において、毎日の食事の中でグループ4に該当するUPF(超加工食品)の割合が高いほど、心血管疾患、糖尿病、肥満、腎疾患、うつ病、等の生活習慣病のリスクが上昇すると言われています。また、UPFは腸内環境にも影響を及ぼし、様々な疾患に関係すると考えられます。
少々話が変わりますが、
日本人の平均寿命と死因に繋がる病気について、ご存知ですか?
平均寿命は、コロナ騒動以降は様々な事が影響していて若干変化していますが、2020年までは、日本人の平均寿命は右肩上がりでした。
次に死因を見ると、腫瘍(がん)、心疾患、老衰、脳血管疾患と続きます。
寿命と死因の関係も、単に高齢化では済まされない、様々な事が関係していると考えられます。
近年、欧米ではがんの発生が減少していました。対して日本ではがんは増加を続けています。
また、心血管疾患の要因となる、生活習慣病も増加しています。
これらの、日本でがんや病気の増加が続く理由として、日本人にとって本質的に合わない食の欧米化や、食べ物の加工度と添加物等が、大きく影響していると考えられています。
ここで、がんや病気の要因となる、食事の加工度について、もう少しだけお付き合い下さい。
近年、人の体の中で、余分な(過剰な)糖とタンパク質(アミノ酸)が結合し、最終的に「終末糖化産物:AGEs」が作られ、これが細胞や臓器を劣化(老化)させることにより、心血管疾患、糖尿病の合併症、腎不全、脳や神経疾患、骨や関節疾患、またがんなどのリスクを高める事が分かっています。
このAGEs(終末糖化産物)は、体内で発生する以外に、食品を作る過程で、揚げる、焼く、炒めるなどの高温加熱調理によっても生成され、それを摂取した場合、その7割が体内に残留すると言われています。
つまり、前述した日本人の病気のリスクに、食品の加工の過程や、結果として生成されるAGEsが、少なからず関係していると考えられます。
ようやくドックフードやキャットフードに戻りますが、
前回のコラム:その1で示した、ドライフードの製造過程を考えた場合、高温高圧で処理されるために、ドライフードにはAGEsがそれなりに含まれていることは、想像に難くないと思います。
(更に言えば、ドライフードの製造過程で混合される原材料は、原材料の生成過程で既に高い加工を受けている場合が多いと考えられます)
実際に、ドライフードを主食としている犬は、人の120倍、猫は人の40倍のAGEsを摂取しているとも言われています。
〝ヒューマングレードの厳選素材〟等で出来ている、〝プレミアムフード〟では、加工度の高い原材料をより多く使っている他のドライフードよりも、多少は、良いのかもしれません。
ただ、特別な低温加工等がなされているドライタイプのフードで無い限り、最終的に高温高圧により加工、製造され、AGEsがそれなりに含まれることになります。
ここで忘れてならないことは、ドックフードやキャットフードには、更に様々な〝添加物〟も、もれなく含まれている事です。
日本では、食品添加物に関するルールが企業に優しく、欧米に比べて数十倍の添加物が許可されています。(日本の食品は本当に安全か?と言う命題にも繋がります)
ペットフードも例外ではなく、人ではほとんど使われなくなった添加物や、また使用が自粛されつつある添加物が含まれていることも珍しくはありません。中には原材料の表示欄だけでは判断が難しいものもあります。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
更に長文となってしまい、申し訳ありません。
次の
ドッグフード・キャットフードについて改めて考えてみる その3で
まとめのお話となります。
次号に続きます
