ドッグフード・キャットフードについて改めて考えてみる その1
はじめに
今回のコラムのテーマは、一見単純に見えますが、非常に多くの事柄が関係しているため、どの様にお伝えすれば良いのか、少々悩みながら書きました。
もし、 「お勧めのフードはこれ!」 と言う記事を期待されていた方には、ご期待に沿えず申し訳ありません。
しかし、「出来るだけ〝健康で〟長生きするためには?」と、誰しも願う命題には、多少なりともお役に立てると思います。
今回のコラムはその1〜3としましたが、その3では、業界的には少々言いづらい事について、言葉を選んで書きました。できましたら、最後までお読み頂けたら幸いです。
因みにこのコラムに開示すべき利益相反はありません。
少し前のデーターにはなりますが、ある統計によると、1990年と2010年の犬と猫の平均寿命を比べた場合、この30年間で、犬、猫ともに平均寿命が10歳ほど伸びています。(2010年から2023年にかけての直近のデーターでは1.5-2歳位伸びています)また、30年前と現在では、犬と猫の死因も変化しています。
1990年の主な死因としては、犬ではフィラリア症やウイルス性の感染症、また外で離されている事も多かったため、交通事故等となっていました。猫ではウイルス性の感染症、猫同士の喧嘩による外傷、また交通事故等となっていました。
一方、2010年の主な死因としては、犬では腫瘍(がん)、心臓病、腎臓病となっています。猫では腎臓病、腫瘍(がん)、心臓病となっています。
この結果から、15年たった現在もこの傾向は変わらず、むしろ寿命の増加とともにその割合は増えています。
これらの平均寿命が伸びた事や、死因の違いについては、様々な事が関係していると言われています。
例えば、フィラリア予防の普及、犬猫の繁殖販売流通環境の改善(伝染病の減少)、新規薬剤の登場や治療法の向上による延命期間の延長、放し飼い率の減少、等が考えられます。
その他の要因として「ペットフードの普及とその品質の向上」も言われています。
このコラムでは、平均寿命と死因の変化に関係すると考えられている、様々な要因の詳細については敢えて割愛し、表題にあるように、主にペットフードに焦点を当ててお話をします。
確かに、主食として与える事を前提としたドックフードやキャットフードのほとんどの製品は、いわゆる「総合栄養食」として、必要な最低限の栄養素をバランスよく簡単に摂れる便利なものとなりました。
しかし、ここで考えてしまう事は、
犬や猫の寿命が伸びた事に、ペットフードが実際にどの程度関わっているかのか?と言う事です。
更に言えば、犬や猫は、ドックフードやキャットフードによって、本当に恩恵だけを享受しているのか?と言う疑問です。
ドックフードやキャットフードのおかげで寿命が伸びた。それで何か問題があるの?
と、思うかもしれません。
ただ、これから以下に示しす幾つかの事柄を考えると、どうしてもドックフードやキャットフードについて疑問を持たざるを得ないと考えます。
まずは、改めてドックフードやキャットフードについて考えるためには、それぞれの製品がどの様な原材料や成分で出来ているのかを、改めて確認してみることが必要です。
ただし、ここでは、全ての原材料や使われている成分に対しての説明は紙面の都合上難しいため、特に確認して頂きたい事を取り上げます。
ペットフードの袋の裏面には、原材料の記載があります。この記載を確認したことはありますか?
この原材料についていの記載内容、つまり実際に与えているフードの原材料や成分のご確認をお願いします。
ここで特に注目する記載としては、
〇〇ミール、〇〇グルテン、加水分解〇〇タンパク、動物性油脂、植物性油脂、〇〇エキス等の記載があるかを確認して下さい。
(フードの原材料の記載についての「読み解き方」については、改めて別の機会にコラムでお伝えしたいと思います。このコラムではあえて詳しい解説は控えます)
ここに上げた原料の特徴は、製造の過程で酵素や化学的方法によって抽出されているものがあります。
また、最終的には、フードの原料になる粉末などの形状にするためや、殺菌などを目的に、高温高圧で処理されているものがほとんどです。
また、その元の原料が単一である場合もあれば、様々なものが混合されている場合があります。
(混合物には、何がどれだけ入っているかが分からない場合があります)
その他、記載の中で確認したい事は、保存料、酸化防止剤、着色料や、品質の安定化を目的とした化学的な添加剤などがあるか?です。
一般的に、ドックフードやキャットフードと言われるものは、お店に並んでいる商品の割合などからも分かるように、その殆どが「ドライフード」で占められています。また、実際に多くの犬や猫は、ドライフードを与えられています。
そこで、ほとんどの犬や猫が食べている「ドライフード」がどの様に作られるかを、確認してみましょう。
上記の原材料や添加物とともに、肉や肉類、肉副産物、小麦、とうもろこし、米、豆類、野菜類等(使っているものはメーカーによって様々に異なりますが)を混合して・・・、最終的には、ドライフード特有の特殊な成型機で成型され、さらに高温高圧で加工されます。
そして、最後の仕上げに「美味しくなーれ、と」抗酸化処理された油脂類等でコーティングされる場合もあります。
フードを選ぶ際に、「ヒューマングレード」「人が食べられる安心材料」等の記載を見かけることがあると思います。
確かに、原材料や添加物にかなりの「こだわり」を持って作られているものがあるようですが、ドライフードであれば、特殊な低温加工等ではない限り、最終的には他のドライフードと同様な成型・高温高圧加工が施されることになります。
ここまでで、皆さんに今一度確認していただきたいことは、多くの犬や猫で与えられていると思われる
ドライフードは、原材料や添加物さらにはその製造過程を考えた場合、後述する、いわゆる「超加工食品」であるということです。
「超加工食品」と言われても、あまりピンとこないかもしれません。
そこで、超加工食品がどのようなもので、超加工食品であるドライフードをどの様に考えていくかを、改めてお伝えいたします。
