仔犬や仔猫などのゴールデンタイムについて・・・その5
長くなりましたが、前回までのまとめのコラムです。
□ 普段から、大きくなったら触られるのを嫌がる身体の場所を、優しく触る習慣を付けましょう。
犬は元来、耳や目の周り、口の中、足先、お腹など、身体の中で敏感な場所や守ろうとする場所を、誰かに触られるのを嫌がります。
但し、前回のコラムでお話しした社会化期においては、様々な物に対する抵抗感や恐怖心などが少ないため、また自己防衛心も弱いため、この時期に、耳や目の周り、口の中、足先、お腹などを、毎日のように触るようにしましょう。
優しく耳の周りを触ったり、中を覗いたり、眼の周りに触れたりします。(念のため:綿棒などで、決してお掃除等はしないで下さい)
口の中も、唇をめくったり、歯ぐきを少し触ったりしましょう。(これは後にお薬を飲ませたり、歯磨きを出来る様にして行く事にもつながります)足先や、お腹も同様に優しく撫でたりしましょう。
爪切りなども、この時期からの練習と考えて、少しずつ慣らして下さい。
(爪を短くする、と言う事よりも、足先を触られて爪を切られると言う一連の事に慣れさせる為です)
犬の性質にもよりますが、押さえられたり触られる事に嫌がる場合があるかもしれません。
この場合、嫌でもある程度動かずに我慢することを覚える事も必要です。
この時の注意点として、
決して、無理をしない事。
初めは出来るだけ優しく触り、お家の方も犬もお互いが少しずつ慣れて行きましょう。
出来るだけ痛くしない様に、無理に押さえつけ無いようにしましょう。
特にやってはイケない事として、犬の口を押さえつけるように掴む事(昔、マズルコントロールと言われていました)や、無理に身体を仰向けのようにして、犬のお腹をお家の方へ見せる格好にする事(昔、服従ポーズと言われていました)。
また、言う事を聞かせようとして、強い口調で怒鳴ったり、叩くなども、お互いの信頼関係を作る上でやってはイケない事です。
動物の身体の動きを、出来るだけ無理の無い状態で押さえることを「保定」と言いますが、この「保定」のためには、ちょっとしたコツ(詳しくは正しい方法)が必要です。
一般の方には分かりづらいため、出来るだけ、動物病院に聞いて下さい。
また、その動物の性質によっては、爪切りをする際の押さえ方や慣れさせ方なども細かくは変わってくることが多いので、「それぞれの犬の性質に合った」やり方も合わせて聞いて下さい。
何故、身体のあちこちを触る必要があるのか?
・出来るだけ仔犬の抵抗感の無い時期から、「お家の方に触られたり押さえられたりする事は、ごく自然で特別な事では無いよ」と犬に覚えさせる、慣れさせる為です。
この事は、結果として、将来身体のお手入れ等で犬自身または、お家の方のストレスが少なくなることに繋がります。
・仔犬の頃から嫌なことでも少しずつ我慢する事が、結果としてお家のかたの言う事を聞く事に繋がっていきます。
□ 「しつけ」には、オスワリやマテが何となく出来る事では無く、前段までのコラムに上げた事が、全てリンクしています。
コラムで上げた重要な事をもう一度確認してみましょう。
・正しい関係性を築くために、「オスワリ・マテ」のしっかりとした練習
・トイレを覚えるのは、「今しかねー!」
・「甘噛み」はさせず、遊びを通してルールを学ぶ
・散歩を活用して、社会化とルールを学ぶ
・「食育」を通して頼れるリーダーとなる
・身体を触られる事に慣れながら、我慢も覚える
特に仔犬から考えて頂きたい事ですが(大きくなって家に来た子はその時から)、これらの重要な事柄を、お家の方が少しずつ考えてやっていくことで、それぞれの事が互いに関係して効果を出していきます。
例えば、
お家で「オスワリ・マテ」などを頑張って練習しているのに、散歩は伸びるリードを使って犬の好きなように行っていると、お家での「オスワリ・マテ」の練習が中々進まなかったり、また、散歩から帰ってきてからの足の汚れのお手入れなども嫌がって我慢出来なくなる事に繋がります。
それとは逆に、散歩もコラムでお話ししたように練習しながら行くと、お家で練習している「オスワリ・マテ」の応用を、散歩中に練習出来ます。結果としてそれぞれが相乗効果となります。
まとめとして
仔犬のゴールデンタイムについて、長々とお話しさせて頂きました。
ここまで続けて読んで頂きありがとうございました。
実は、それぞれかなり要点を絞り短くまとめたつもりです。
実際には、全ての事を完璧にする事は難しいと思います。
お家の方の出来る範囲で、少しずつ、毎日続けていただくことが大切です。
なにより、ワンちゃんと楽しみながら、練習して下さい。
「上手くいっているのかな? このやり方で良いのかな?」、
「ネットに書いてあったり、人に聞いたけど・・・??」
と、様々な疑問は当然出てきます。
疑問に思うことはそのままにせず、、動物病院へご相談下さい。
時間が経って仔犬が大きくなってしまう前、
疑問に思った、その時が、正に「大切なゴールデンタイム」です!