本当に猫の事を考えた・・・猫の食事の選び方
「キャットフード オススメ」「キャットフード 選び方」などのキーワードで検索をすると、様々なキャットフードを“オススメ”した、多くのサイトが出てきます。
それぞれのサイトではいくつかの基準を設けていたり、フードの銘柄をランキング形式にして紹介しているものも見受けられます。
中には、獣医師監修や獣医師のコメント付きの物もありますが、結局は、そのサイトの中での、おすすめフードの販売と関連付けられている事が多いようです。
しかも、多くのサイトで、
“猫の食事 ≒ ドライフード” が、前提となっているようです。
折角このコラムをご覧頂いている皆様には、是非ご理解頂きたい事ですが、前回までのコラムでもお話ししたように、
“猫の食事 ≒ ウエットフード” と言う事を、前提に考えて頂きたいと思います。
(ドライフードは、お家の方の急な外出や災害などの緊急時に、無理なく食べられるように、普段は間食や遊びのツールとして慣れさせておく必要はあります。)
猫の食事を選ぶ時に注目して頂きたいことを確認してみましょう。
(詳しく説明すると、非常ーに長くなるため、かなり大雑把な説明となります事をご容赦願います)
・ブランド、クチコミ、ネットのお勧め、の前に、パッケージにあるラベルをよく読みましょう!
・原材料の「種類や質」とフードの値段は、必ずしもではありませんが、比例する傾向にあります。
・原材料と成分分析値(蛋白質、脂質、炭水化物等)をよく確認しましょう。
(ちょっとだけ、計算が必要な場合があります)
・ラベルの読み方が分かりづらかったり、原材料の詳しい意味などが分からない場合は、獣医師に
お尋ねください。
・ウエットフードですが、「総合栄養食」のウエットフードが前提です。
「一般食」や「補助食」を主食には出来ません。
・総合栄養食で、出来るだけ低炭水化物の成分であるものを選びましょう。
・添加物は出来るだけ少ないに越した事はありません。
・上記の事に注意しながら、値段と相談しながら、選んでいきましょう。
・出来れば、多少食事に詳しい獣医師に、食事の相談を兼ねてコメントして頂けると良いと思います。
いつも、様々な食事についてのご相談を受ける時には、必ず現在食べている食事やオヤツ等の種類や内容を教えて頂き、ご家族のお考えなどをお聞きしながらお話しさせていただいております。
大きな声では言えませんが、次のことに注意して下さい!
・特にドライフードで多く目にしますが、
「ナチュラル、プレミアム、○○クオリティ」などの、表示に品質に関する基準は何処にもありません。
さらに、「○○用、○○に対応、○○ケア、○○適応」などの文言にも、どのような効果や適応なのか、基準がありません。
したがって、この様な様々な付加的表示に惑わされないようにしましょう!
・同様に、成猫以上の年齢では、「○歳からの○○フード」と言う表示も、その猫に本当に合っているかをよく考えて下さい。
・それよりも、ラベルの表示をよく読んで下さい。
・次のフードは、特にオススメしません。
半生やセミモイスト等の記載がある、ドライフードの様な形状をしていながら柔らかい、フードです。
(キャットフードよりドックフードで多く見かける事があるかもしれません。)
なぜなら、、、常に柔らかさを保ち、ドライフードに近い保存性を持たせるための混ぜ物(添加物)がそれ相当に入っているからです。
・食事と言うよりもオヤツに入りますが、いわゆる、「歯磨き○○」等についても、その成分を考えると、自分の猫には与えません。
○○推薦や○○推奨とされている製品もあるようですが、猫の元々の食性を考えると、効果についてはかなり疑問です。
因みに、昔はウエットフードはドライフードに比べて歯が汚れやすい、と言われましたが、現在は否定されています。適切な成分のウエットフードであれば、むしろドライフードよりウエットフードの方が汚れがつきにくいと考えられます。
ところで、
今までドライフード中心だった食事を、ウエットフードに変えた方が良いと言うことは分かったけれど、、、
どうしても、費用の問題等でウエットフードだけを主食に出来ない場合は、、、
・水で事前にふやかしたドライフードに、ウエットフードをトッピングして与える。
・ただし、普段ドライフードを食べ慣れた猫は、ふやかしたドライフードを食べないかもしれないため、いつものドライフードを少し減らして、ふやかしたドライフードを少量ずつ加えてみましょう。徐々にドライからふやかしたドライへと割合を変えて、切り替えていきましょう。
どうしても、ドライフードじゃなければ食べない猫は、、、、
・まず、普段の食事やオヤツ等の、1日に食べているものや、1日の量を確認してみましょう。
、、、おうちの人から見た時に、そんなに多くは食べさせてないかなーっと、思っても、
今一度見直して頂くと、余分に与えていることが結構多いと思います。
その上で、少しづつ食事やオヤツ(出来ればお休みで、、)を減らして、少しお腹を空かした状況
にしてみましょう。猫がいつもよりお腹を空かした方が、切り替えがスムーズかも知れません。
(但し、絶食状態にならない様に気を付けて下さい)
・フードを常に置きっぱなしにしている場合は、それもこの機会に止めて、改善しましょう!
以前のコラムでも触れていますが、色んな意味で、フードを置きっぱなしにすることはお勧め
しません!
・お腹が空く事によって足りない分として、ウエットフードやふやかしたドライフードを食べる様に
なる事が多いと思います。
猫にとっての、トイレの重要性、水分の重要性、それに関連して食事の重要性を、前のコラムまででお話ししてきました。
実際の食事を選ぶ際は、ネットを始め、様々な情報が飛び交っているだけに、迷うことが多いと思います。
しっかりとした情報を取捨選択するのも、中々難しいことかもしれません。
できれば、フードを選んで実際に購入する前に、スマホの画面で「このフード、うちの子にどうでしょう?」と、動物病院で相談されることをオススメします。