これからの季節、犬や猫、人間も気を付けたい要注意なウイルスの病気:「SFTS」|ふじみ野市

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コラム

これからの季節、犬や猫、人間も気を付けたい要注意なウイルスの病気:「SFTS」

コラム 

コロナ騒動も落ち着き、旅行など、お出かけの計画も増えていると思います。

そのような中、特に郊外の自然の多い場所へ出かける時には今一度注意して頂きたい事があります。

草むらや森林の多い地域では、「マダニ」に刺されない様に十分注意して、事前に様々な対策を講じて下さい。

 

何故なら、「マダニ」に刺される事で、マダニが体内に持っていることがある

重症熱性血小板減少症候群(SFTS: Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome )ウイルスに

感染する可能性があるからです。

これは、人と、犬や猫で注意が必要なウイルスです。

 

人にとって、もう一つ重要な事は、SFTSウイルスに感染した動物の、唾液や尿、便、あるいは血液などの
体液からも感染する可能性がある事です。

 

国内では、西日本を中心にSFTSの発生が報告されていますが、22021年に、静岡県で人での発生が届出されています。

2014年には、SFTSの発生は無いものの、マダニからSFTSウイルスの遺伝子が検出された地域は、北海道、東北、関東、甲信に及びます。また、国内全域での野生動物での広がりも懸念されています。

つまり、関東以北でも、SFTSの発生がいつ起こっても不思議ではありません。

 

SFTSウイルスに感染すると、人では、発熱、食欲不振、下痢、嘔吐、リンパ節の腫れ、出血症状などが見られます。また神経症状を伴う場合も有ります。

犬猫では、発熱、食欲不振、下痢、嘔吐、黄疸などが見られます。

SFTSウイルスに感染して発症した場合、対処療法のみで、特効薬などの特別な治療法はありません。

致死率は、人で10-30%、犬で30%、猫では60-70%にもなります。

 

 

SFTSウイルスへの対策は、何よりも予防が重要となります。

 

マダニは草の先端にいる事があるため、犬や猫、人が林や草むらの近くを通ったり、草むらや森林の中に入った時に、マダニが動物や人の身体の表面に付着する事によって、刺される事になります。

意外と思われるかもしれませんが、街中でも、お散歩中に公園の植え込みなどでマダニが犬に付く事も、珍しい事ではありません。また、庭木などで発生したマダニが、お庭にいる犬に付着していたケースもあります。

 

人の予防策としては、

・草むらや森林に入る時、また畑仕事でも、マダニに刺されないために、首元、腕や足など、肌の露出を避ける対策をしっかりと取る。

・野生動物との不用意な接触を避ける。

・お家にいる犬や猫が外出の機会のある場合、日頃からノミマダニ駆除剤で予防をしっかりとする。

・普段から、動物に舐められる等の過剰なスキンシップを避ける。また、咬まれ無い様に注意する。

・あまり無いと思いますが、動物の排泄物を素手で触らない。適正に処理をする。

・草むらや林に入る機会が多い犬、毎日のように外出する猫など、ダニが寄生する可能性のある動物と一緒に生活を送っている場合は、元気食欲の低下、発熱など、体調管理に気を付ける。

・野良猫が、特に具合が悪くなっているような時に、不用意に素手で触ったり、咬まれたりしないように十分気をつける。

 

犬猫の予防策として、

・動物用医薬品であるノミマダニの駆除剤を、継続して定期的にしっかりと使う。

動物用医薬部外品では、マダニ駆除の効果が十分に得られない場合があるため、注意しましょう

・犬では不用意に草むらや林へ入れないようにする。
アウトドアレジャーを一緒に楽しむ場合は、必ず出かける前にノミマダニの駆除剤による予防をする。

・野生動物との不用意な接触を避ける。

・野良猫との接触を避ける。

・猫では、SFTSウイルス感染のリスクを出来るだけ少なくする為には、室内での生活に限定して、外出させないようにする。

 

SFTSウイルスを怖がり過ぎて、例えば、犬を散歩へ一切連れて行かないとか、毎日外出していた猫を捨ててしまう、等の過剰な対策をする事はナンセンスで、けして行ってはならない事です。

 

現在の生活状況やダニの予防の事、動物の健康状態に疑問や不安がありましたら、まずは最寄りの動物病院へお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

 

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