「子猫がお家に来たら、考えて上げたいこと」
コラム
「子猫がお家に来たら、考えて上げたいこと」
1 猫の「社会化期」について知って欲しい
子猫が成長していく過程で、今後経験する環境や刺激に対して、また他者とのコミュニケーションの方法などを、適切な社会行動として学習、身に付けていく事を「社会化」と言います。
子猫のある一定時期は、様々な刺激を受け入れやすい時期です。この期間に経験していない環境的な変化や様々な刺激に将来遭遇した場合、猫ちゃんにとって強い警戒心や恐怖心を感じる事になる場合が多くなります。
2 家に来た猫の週齢と、社会化期を考える
① 実際の社会化期の期間を明確に決めることはできませんが、おおよそ生後2週目〜16週目と言われています。この期間内で、特に生後7週目までが様々な刺激を受け入れやすい時期です。この時期に、猫が驚いたりしない様に注意しながら、クレート(お出かけにも使える入れ物)に慣らしたり、車に乗ったり、色んな人と接したりするようにしましょう。動物病院に行って、身体を触られる経験も何度かした方が良いでしょう。
② 生後8週目からは、好奇心より警戒心が強くなると言われています。猫ちゃんが怖がったりしない様に、より注意しながら、色々な刺激に慣らしていきましょう。少し怖がっているときは無理をせず、良い印象(適当なおやつなど)を付けながら、慣らして行った方が良いでしょう。
③ 生後4週目から14週目頃までの間は、遊びなどを通して、社会的なコミュニケーションの取り方を身に付けていきます。すでに家に先住の猫がいる場合、子猫に感染症の疑いが無ければ、少しずつねこ同士、慣れさせていきましょう。
但し、先住猫が子猫の時に、同じこの時期に他の猫との接点をあまり持っていない場合(つまり、他の猫とほとんど接した経験の無い猫である場合)や、先住猫の気質によっては、子猫を強く警戒したり嫌がったり、時として攻撃する事があるので、その場合は無理をしない様にしましょう。
④ 離乳が徐々に始まる生後3−4週目からいわゆる甘咬みやじゃれつきと言った遊びが始まります。一見遊んでいるだけのように見られますが、この時、遊びを通して捕食行動を学んでいきます。
人の手や足を使ってじゃれさせたり、遊ばせたりする事が良くありますが、人の手や足を、「咬む物(咬んでもよい物)」として学習してしまうので、人の手足を使っての遊びは初めから行わない様にしましょう。代わりのおもちゃをを使って、遊んで上げましょう。
大まかに社会化期について説明しました。
この社会化期には、「将来の食生活のために」「できるだけ人に慣れるために」、「爪切りなどグルーミングに慣れるために」「過度なじゃれつきをさせないために」、など、沢山のお伝えしたいことがあります。
順次、今後のコラムに掲載予定です。